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インプロのゲームを使うなら、やり方だけでなく場で何が起きたかを見る

今日は、インプロのゲームを使うとき、やり方だけでなく場で何が起きたかを見ることについて書いていきます。

手順を正しく進めることや盛り上がりだけでなく、参加者の反応や関係性の変化に目を向けます。ゲームを次の学びへつなげる観察と振り返りを考えます。

このページの目次

1.インプロゲームは、入口として使いやすい

インプロをワークショップや研修に取り入れるとき、ゲームはとても使いやすい入口になります。

  • ルールがある。
  • 短い時間で体験できる。
  • 身体を動かせる。
  • 笑いが起きやすい。
  • 参加者同士の距離が少し近づく。

こうした特徴があるので、インプロゲームは、アイスブレイクやチームビルディング、コミュニケーション研修などでも使いやすいものです。

実際、インプロにはたくさんのゲームがあります。

  • 名前を覚えやすいもの。
  • ルールがシンプルなもの。
  • 場を温めやすいもの。
  • 観察や反応の練習になるもの。
  • チームの関係性が見えやすいもの。

だから、インプロを学び始めると、どんなゲームを使うか、どんな順番でやるか、どう説明するかに意識が向きやすくなります。それ自体は大切です。でも、インプロのゲームを使うなら、やり方だけでなく、場で何が起きたかを見ることも大切です。

2.ただゲームを回すだけでは、学びが浅くなることがある

インプロゲームは、うまく使うと場を動かしてくれます。ただ、ゲームを回すだけでは、学びが浅くなることがあります。

盛り上がった。楽しかった。笑いが起きた。みんなで身体を動かした。

それは、それで大切です。でも、そこで終わってしまうと、インプロの深い知恵は見えにくくなります。

  • そのゲームの中で、誰の関わりが生きたのか。
  • どんな反応が場を変えたのか。
  • どこでためらいが生まれたのか。
  • どんなずれが起きたのか。
  • 予定外をどう扱ったのか。

そこまで見ていくことで、ゲームは単なる活動ではなく、場を見るための入口になります。インプロゲームを使うときに大切なのは、ゲームをこなすことではありません。そのゲームを通して、場に何が現れたのかを見ることです。

3.大切なのは、場で何が起きたかを見ること

同じゲームをしても、場によって起きることは違います。

ある場では、すぐに笑いが起きる。別の場では、慎重な反応になる。あるチームでは、誰かの関わりがすぐに受け取られる。別のチームでは、関わりが流れてしまう。ある参加者は、すぐに動ける。別の参加者は、少し時間がかかる。

こうした違いは、ゲームがうまくいったかどうかだけで見てしまうと見落とされます。大切なのは、場で何が起きたかを見ることです。

  • 誰が前に出たのか。
  • 誰が支えたのか。
  • 誰の関わりが受け取られたのか。
  • どこで場がひらいたのか。
  • どこで場が閉じかけたのか。
  • どんな予定外が起きたのか。

そこに、チームや場の情報が表れます。インプロゲームは、場で起きていることに気づく手がかりにもなります。

4.同じゲームでも、場によって意味が変わる

インプロゲームには、説明しやすい目的があります。

  • 反応をよくする。
  • 相手を見る。
  • 受け取る練習をする。
  • 発想を広げる。
  • チームで協力する。

こうした目的は、もちろん大切です。ただ、同じゲームでも、場によって意味は変わります。

ある場では、自分なりに関わってみる練習になる。別の場では、相手が場に出してきたものを受け取る練習になる。別の場では、リーダーが場をコントロールしすぎていることが見える。また別の場では、予定外をどう扱うかがテーマになる。

ゲームそのものに固定された意味があるというよりも、その場で何が起きたかによって、学びの焦点が変わります。だから、ファシリテーターや講師は、ゲームのルールを説明するだけでなく、場で起きたことを見ていく必要があります。その視点があると、同じゲームでも、学びの深さが変わります。

5.振り返りは、正解発表ではなく、場を見直す時間である

インプロゲームの後には、振り返りが大切です。ただし、振り返りは、講師が正解を発表する時間ではありません。「このゲームはこういう意味です」

「こう感じるのが正解です」「ここで学んでほしいことはこれです」

そう言い切ってしまうと、参加者が実際に体験したことが置き去りになることがあります。大切なのは、場で起きたことを一緒に見直すことです。

  • 何が起きたのか。
  • どこで動きやすくなったのか。
  • どこで止まったのか。
  • 誰の関わりが場を変えたのか。
  • 何が受け取られ、何が流れたのか。
  • この体験は、普段の仕事やチームにどうつながるのか。

このような振り返りがあると、インプロゲームは、ただ楽しい活動ではなく、場や関係性を見直す体験になります。ゲームをやること以上に、そこで何が起きたかを丁寧に見ることが大切です。

6.この本で扱っていること

『場がひらく、Yes And の先へ』では、インプロを単なるゲームやコミュニケーション術としてではなく、場づくり、関係性、共創、変容の視点から見直しています。

インプロのゲームを使うなら、やり方だけでなく、場で何が起きたかを見る。

  • 誰の関わりが出たのか。
  • その関わりがどう受け取られたのか。
  • どんな予定外が起きたのか。
  • 場がどこでひらき、どこで閉じかけたのか。
  • そこから次の学びや対話をどうつくるのか。

この視点を持つことで、インプロゲームは、単なる盛り上げの道具ではなく、場を見て、場をひらくための入口になります。ワークショップ、企業研修、ファシリテーション、チームビルディングでインプロを使う方には、ぜひこの視点で2冊目を読んでみてほしいです。

インプロゲームの価値は、手順を終えることだけでなく、そこで起きた反応や関係性の変化を捉え、次の実践へ生かすことにあります。

あなたがゲームを実施したあと、参加者と場に何が起きたかを、どのように振り返っているでしょうか。

ゲームを実践知へつなげる視点を深めたい方は、書籍『場がひらく、Yes And の先へ』もぜひ手に取ってみてください。

インプロの知恵を、さらに現場へ

書籍『場がひらく、Yes And の先へ』では、この記事で取り上げたテーマを、インプロの視点から、場づくり、関係性、共創、変容の実践と結びつけて探究しています。