インプロでは、あらかじめ台本や展開を固定しきらず、その場で生まれる相手の言葉や動き、人物や関係、身体の動きや空間の使われ方、出来事などを材料にしながら、仲間と場面や出来事をつくっていきます。
その実践を支えているのが、インプロゲーム、さまざまな制約や上演形式、考え方、技術、そしてそれらを身につけ、実際に使っていくための練習やトレーニングです。
現代のインプロを理解するうえでは、ヴァイオラ・スポーリン、デル・クローズ、キース・ジョンストンが重要な参照軸になります。三者はそれぞれ異なる文脈から、即興の実践・教育・上演を発展させ、その流れは現在の多様なインプロにつながっています。
インプロは、即興演劇という舞台芸術として発展してきた実践です。現在は、一般の人が体験し学ぶ場にもひらかれ、日常の対話、仕事、チーム・組織、教育などでも活用されています。
その場で相手の言葉や動き、起きていることを受け取り、自分から働きかけ、その反応を見ながら次をつくるという特徴は、演劇の外にある対話、協働、創造、学習などの関心ともつながっています。
インプロの広大な世界を、どう見渡すか
このページでは、インプロ一般の意味・特徴・歴史・活用について紹介しています。その先には、複数の源流、考え方、技法、上演形式、実践へと広がる世界があります。そうした広大な世界を日本インプロアーツがどのように見渡し、それぞれの違いやつながりをどう捉え、実践と書籍・資料・映像を行き来しながら探究しているのかは、「広大なインプロの世界を深く探究し、編む。」で詳しく紹介しています。
知りたいことから読む
なぜ今、インプロが注目されているのか
インプロは、現在では舞台の上だけでなく、仕事や教育、チームづくりなど、さまざまな文脈で使われています。その背景の一つに、先の展開がすべて決まっていない状況で、相手や出来事に応答しながら次をつくっていくという、インプロの実践の特徴があります。
仕事や学びの場でも、周囲の人や状況の変化を受け取り、自分から働きかけ、その反応を見ながら行動を調整していくことが重要になっています。
仕事の分野では、技術が変化する一方で、人と関わりながら考え、つくり、変化に対応することも重視されています。世界経済フォーラムの『Future of Jobs Report 2025』では、分析的思考に加えて、創造的思考、レジリエンス・柔軟性・俊敏性、リーダーシップと社会的影響、共感と積極的傾聴などが、企業が重視する中核的なスキルとして挙げられています。
教育でも、知識を受け取ることに加えて、学ぶ人自身が働きかけ、ほかの人とともに学び、実際に行動しながら考えを更新していくことが重視されています。
OECDの「Learning Compass 2030」では、学習者自身の主体性を表す「agency」、他者とともに働きかける「co-agency」、そして「予測する・行動する・振り返る」という循環が、これからの学びを考える重要な要素として示されています。
インプロでは、相手の言葉や動きを受け取り、自分から具体的に働きかけ、そこで起きたことを次の材料にします。最初から完成した答えを再現するのではなく、実際にやり取りし、その結果から次をつくっていく。この実践の構造が、対話、協働、創造、学習、仕事や組織など、さまざまな領域の関心と接続しています。
インプロのゲームやエクササイズ、考え方、技術などを、教育・仕事・組織など別の目的に合わせて活用する実践は、応用インプロ(Applied Improvisation)と呼ばれる領域とも重なっています。現在では、ビジネス、教育・大学、組織やコミュニティなど、さまざまな場でインプロの考え方や実践が用いられています。
「インプロ」と呼ばれる実践には、さまざまな源流や形式、目的、方法があります。舞台上演を目的とするものもあれば、俳優のトレーニング、一般向けの体験、教育、仕事や組織での活用など、行われる場や目的もさまざまです。誰が、どのような目的や方法で実践するかによって、そこで生まれる経験や学びも変わります。
インプロと特定の能力との関係についても、どのような実践を、どのような対象や条件で行ったのかを見ながら考えることが大切です。このページでも、インプロの多様性を踏まえながら、その特徴や魅力、活用の広がりを見ていきます。
インプロにはどんな魅力や学びがあるのか
インプロの大きな魅力の一つは、自分一人では思いつかなかったことが、仲間とのやり取りから生まれてくることです。自分の言葉や動きに相手が反応し、その反応によって自分の次の言葉や行動も変わっていく。そうして、誰も最初から予定していなかった人物や関係、出来事、物語が少しずつ立ち上がっていきます。
たとえば、自分では何気なく言った一言を相手が思いがけない形で受け取れば、そこから、それまで考えてもいなかった場面が始まることがあります。相手から影響を受けることで、自分の物の見方や考え方が変わり、それに伴って、次に選ぶ言葉や行動、振る舞いも変わっていくことがあります。インプロでは、自分もまた相手やその場から影響を受け、変化しながら、一緒に次をつくっていきます。
インプロでは、言葉に加えて、声、表情、身体の動き、相手との距離、空間の使い方なども、その場で起きていることの一部になります。
実際に動き、相手の反応を受け取り、そこで感じたり気づいたりしたことから、また次を試してみる。そうした繰り返しの中で、考えることと行動することが結びついていきます。
こうした体験を重ねる中では、相手をよく見ることや聞くこと、自分から具体的に働きかけること、ほかの人のアイデアと自分のアイデアをつなぐこと、状況に応じて次の行動を選ぶことなどを、実際のやり取りの中で繰り返します。続けていくことで、こうした受け取り方や働きかけ方、表現や協働の仕方が、少しずつ自分のものとして身についていくこともあります。また、その経験は、対話、創造、変化への対応などについて、それまでとは違う見方や選択肢に気づくきっかけにもなります。
インプロには、仲間と遊び、思いがけないものに出会い、最初には誰にも見えていなかった世界を、その場で一緒につくっていく楽しさがあります。能力や学びとの接点とともに、その経験そのものを楽しめることも、インプロが長く続けられてきた大きな魅力です。
インプロと一言でいっても、そこにはさまざまな源流、形式、目的、実践の仕方があります。どのようなインプロを行うのか、誰と参加するのか、どのくらい続けるのかに加えて、団体や指導者が何を大切にし、どのような考え方や方法で進めるのかによっても、そこで生まれる経験や学びは変わります。
インプロの楽しさや、そこから生まれ得る学び・変化・活かし方については、「インプロの魅力と得られる経験」でさらに詳しく紹介します。
インプロでは実際に何をするのか
インプロには、短いゲームやエクササイズから、シーンづくり、長い作品や公演まで、さまざまな実践があります。実際に何をするかは、扱うインプロの形式や、ワークショップ・公演の目的によっても変わります。
多くのインプロに共通して見られるのは、その場で生まれる相手の言葉や動き、身体の動きや空間の使われ方、自分や相手に起きている変化などを見たり感じたりしながら、言葉や行動を重ねていくことです。そして、使うのは「今起きたこと」だけではありません。それまでに生まれた人物や関係、場所、設定、出来事、感情なども共有された文脈として受け継ぎ、そこから次の表現をつくっていきます。
一般的なインプロのワークショップでは、シンプルなルールや制約のあるゲームやエクササイズが行われることが多くあります。たとえば、相手の言葉や動きに反応する、一緒に一つの動きや出来事をつくる、決められた条件の中で自由に試してみる、といった活動です。こうした体験を通して、相手を見ることや聞くこと、自分から働きかけること、相手から影響を受けて変化することなどを、実際に身体を動かしながら経験していきます。
シーンづくりを中心に進めるワークショップやトレーニングもあります。二人や数人で「シーン」と呼ばれる場面をつくり、人物、関係、場所、出来事などをその場で生み出しながら、会話、身体の動き、感情、空間の使い方を重ねて場面を進めます。
たとえば、一人が店員のような動きを始め、もう一人がそれを見て「今日はずいぶん静かですね」と話しかけたとします。そのやり取りから、二人がどんな関係なのか、ここがどんな店なのか、今日は何が起きているのかが少しずつ決まっていきます。その後のやり取りでは、最初の言葉や動きだけでなく、そこまでに生まれた人物像、関係、出来事、感情の変化も次の材料になっていきます。こうして、その場で生まれたものを積み重ねながら、場面を育てていきます。
さらに、複数のシーンをつなげたり、あるテーマや形式に沿って展開したりしながら、より長い作品をつくるインプロもあります。公演では、観客から言葉や場所、テーマなどの提案を受け取り、それを作品の材料にすることもあります。
インプロで使うのは言葉だけではありません。声の調子、表情、姿勢、身体の動き、感情、相手との距離、舞台や部屋の空間、そしてそれまでのやり取りの中で生まれた人物・関係・出来事なども、次の表現をつくる材料になります。誰かが動けば、その動きによってほかの人の感じ方や見え方、行動も変わる。自分自身も相手やその場から影響を受けながら、互いの変化と、それまでに生まれた文脈を使って場面をつくっていきます。
どのようなゲーム、エクササイズ、シーン、作品を行うかは、扱うインプロの源流や形式、ワークショップや公演の目的、指導者や団体が大切にしている考え方などによって異なります。インプロゲームについては「インプロゲームとは」、ショートフォームやロングフォームなどの上演形式については、この後の「インプロにはどんな上演形式がありますか?」で詳しく紹介します。
台本がないのに、どうやって成り立つのか
インプロを初めて見ると、「何も決まっていないのに、どうして会話や場面が続くのだろう」と感じるかもしれません。
インプロでは、台本の代わりに、その場ですでに起きたことを手がかりにします。相手の言葉や行動、人物や関係、場所、感情、身体の動きなど、いったん場面の中に生まれたものが、その後の言葉や行動が生まれる材料になります。
そこで出てくるものは、頭の中で意識して選んだものだけではありません。相手の言葉や動きに反応して、思わず出た声や表情、身体の動きも、その後の場面をつくる材料になります。
たとえば、一人が椅子を磨くような動きをし、もう一人が「店長、開店まであと10分ですよ」と言ったとします。その瞬間、そこには「店らしい場所」「店長ともう一人の人物」「開店を控えている」という情報が生まれます。次のやり取りでは、それらを使うことができます。
店長役の人が「今日はあの人が来るから、いつもよりきれいにしておきたいんだ」と答えれば、今度は「あの人を待っている」という新しい情報が加わります。相手が「まだ気にしてるんですね」と返せば、二人の過去や店長と「あの人」の関係について、さらに何かが見えてくるかもしれません。
このようにインプロでは、誰かが何かを表現し、それをほかの人が受け取り、そこへ新しいものを加えることで、共有される情報や文脈が少しずつ増えていきます。そして、増えてきた文脈が、今度はその後の言葉や行動が生まれる手がかりになります。
過去に生まれたものは、ただ保存されるだけではありません。相手の言葉や行動によって、それまでの出来事の意味が変わることもあります。最初は何気なく見えた言葉や動きが、後から別の意味を持つこともある。登場人物の考え方や感情、関係も、やり取りを重ねる中で変化していきます。インプロでは、これまでにつくられた文脈を使いながら、その文脈自体も更新されていきます。
また、インプロには、ゲームのルール、場面の条件、上演形式、観客からもらう提案など、あらかじめ一定の枠組みが用意されている場合もあります。こうした制約や形式が、参加者の選択を助けたり、作品に方向性を与えたりすることもあります。
インプロは、その場で生まれたものを受け取り、これまでにつくられた文脈を使い、そこへ新しい言葉や動き、働きかけを加え、その結果をまた次の材料にすることで進んでいきます。この積み重ねがあるからこそ、台本がなくても場面や物語が形になっていきます。
そのための考え方や技術は、インプロの源流や形式によって表現や重点が異なります。この後の「インプロで大切にされていることは何ですか?」では、さまざまなインプロに繰り返し見られる働きを、特定の流派のルールとしてではなく整理して紹介します。
現代インプロを形づくった三つの主要な源流
現在のインプロは、一人の創始者や一つの流派から生まれたものではありません。異なる地域や現場で育った実践が、人物、劇場、カンパニー、教育、上演形式などを通して交わり、現在の多様なインプロにつながっています。
その全体像を理解するうえで、特に重要な参照軸となるのが、ヴァイオラ・スポーリン、デル・クローズ、キース・ジョンストンです。三者がそれぞれ何を発展させ、それが現在のどのような実践につながっているのかを見ると、現代インプロの主要な流れを捉えやすくなります。
ヴァイオラ・スポーリン――ゲームを通して演劇を学ぶ
ヴァイオラ・スポーリン(Viola Spolin)は、Theater Games(シアターゲーム)を体系化し、ゲームという具体的な課題に取り組む体験を通して、参加者が演劇を学んでいく方法を発展させました。
スポーリンのゲームでは、参加者自身が相手、身体、空間、その場で起きていることへ注意を向け、具体的な課題に取り組みながら発見していくことが重視されます。
スポーリンの実践は、息子のポール・シルズらを通してCompass PlayersやThe Second Cityへつながり、俳優訓練、演劇教育、インプロワークショップ、舞台上の即興演劇の発展に大きな影響を与えました。
デル・クローズ――シーンをつなぎ、アンサンブルで長い作品をつくる
デル・クローズ(Del Close)は、アメリカの即興コメディ、とりわけロングフォーム・インプロの発展に大きな影響を与えた人物です。
短いゲームや一つの場面だけで終わらず、複数のシーン、人物、関係、テーマ、イメージ、反復、連想などを長い時間の中で関係づけ、アンサンブルで作品全体を育てていく実践を探究しました。
クローズが発展に深く関わったHarold(ハロルド)は、その代表的な形式です。彼の実践と考え方は、The Committeeでの活動、Charna Halpernとの協働、ImprovOlympic/iOでの教育・上演などを通して次の世代へ伝えられ、『Truth in Comedy』による言語化もその広がりを支えました。
キース・ジョンストン――自発的な反応、ステータス、物語ることを探究する
キース・ジョンストン(Keith Johnstone)は、イギリスで演劇活動を始め、その後カナダを拠点に、即興、演技、教育、物語ることについて独自の実践と方法を発展させました。
ジョンストンの実践と探究では、内側で考えすぎる前に生まれる自発的な反応、登場人物同士のステータス、物語ること、観客との関係などが重要な要素として扱われます。
この自発的な反応は、ジョンストンの著作ではSpontaneityという言葉で扱われます。日本語の「自発性」という一語だけに置き換えず、内的な検閲が強く働く前に生じる反応なども含む文脈を見ながら捉えます。
Royal Court Theatreでの実践からTheatre Machineへ、さらにカナダのUniversity of Calgary、Loose Moose Theatre Companyへと活動がつながり、Theatresports™、Gorilla Theatre™、Maestro Impro™など、観客との関係を含む独自の上演形式も発展しました。
三者の間には交流もありました。たとえば1980年には、デル・クローズの招きでジョンストンがThe Second Cityで教えています。
こうした接点を持ちながらも、それぞれが活動した場所や課題、方法、美学には違いがあり、その違いが現在の多様なインプロにつながっています。
三つの源流には、重なりと違いがある
スポーリン、クローズ、ジョンストンには、相手や状況を受け取ること、即興で作品をつくることなど、重なって見える働きがあります。一方で、活動した時代や場所、直面していた課題、教育方法、技術、上演形式、美学には違いがあります。
その違いを残したまま理解することで、現在「インプロ」と呼ばれている多様な実践が、どのような背景から育ってきたのかが見えやすくなります。
この三つのほかにも、人、劇場、カンパニー、上演形式、出版、メディアなどを通して、多くの分岐や接続が生まれてきました。それらの流れは、この後の「インプロはどのように広がってきたのか」で詳しくたどります。
インプロにはどんな上演形式がありますか?
インプロの公演には、比較的短いインプロゲームを一つずつ上演するものから、複数のシーンやアイデアを長い時間の中で育てるもの、公演全体に独自のルールや進行方法を持つものまで、さまざまな上演形式があります。
「ショートフォーム」という言葉は、海外のインプロでも、一つの短いインプロゲームを指す場合と、複数の短いインプロゲームやシーンを組み合わせた公演スタイルを指す場合があり、使われ方に幅があります。
日本インプロアーツでは、本サイトでは用語を分かりやすくするため、上演される一つひとつの比較的短いインプロゲームを、ロングフォームとの対比では「ショートフォーム」と呼びます。そして、複数のインプロゲーム=複数のショートフォームを組み合わせ、一つの公演として上演するスタイルを「インプロゲームショー(ゲームショー)」と呼びます。
ショートフォーム――一つひとつの比較的短いインプロゲーム
ショートフォーム(short-form)は、このサイトでは、比較的短い時間の中で一定のルールや仕掛けを使って上演するインプロゲームを指します。
インプロゲームには、「ある言葉を使う」「特定の条件で場面を進める」「人物や場所などの提案を観客からもらう」といった、さまざまなルールや仕掛けがあります。同じインプロゲームでも、観客から受け取る提案や出演者同士のやり取りによって、毎回違う展開が生まれます。
一つのショートフォームだけを上演することもできますが、公演では複数のショートフォームを組み合わせることも多くあります。
インプロゲームショー――複数のショートフォームを一つの公演にする
複数のインプロゲームを一つの公演の中で上演していくスタイルを、日本インプロアーツでは「インプロゲームショー」と呼びます。
あらかじめ上演するインプロゲームと順番を構成しておく場合もあれば、複数の候補から観客に選んでもらったり、その場で出演者や進行役が選びながら公演を進めたりする場合もあります。
また、一つひとつのインプロゲームごとに、人物、場所、言葉、関係などの提案を観客から受け取って始める形も多くあります。公演全体の構成が決まっていても、その場で受け取る提案と出演者のやり取りによって、実際に生まれるSceneは毎回変わります。
ロングフォーム――複数のシーンやアイデアを長い時間の中で育てる
ロングフォーム(long-form improv)は、複数のシーンや出来事をつなげながら、比較的長い時間を使って一つの即興作品をつくっていくインプロです。
公演のはじめに一つの言葉や題材などの提案を受け取り、そこから作品全体を展開していく形式も多くあります。一つの場面がそのまま長く続く場合もあれば、いくつものシーンが切り替わりながら進む場合もあります。
以前に登場した人物が再び現れたり、ある場面で生まれたテーマやパターンが別のシーンにつながったりすることで、作品全体に関係が生まれていきます。
ロングフォームには、一つの物語を時間の流れに沿って育てるものもあれば、人物、関係、テーマ、イメージ、パターンなどを複数のシーンの中で再び使いながら作品全体を育てていくものもあります。
Harold――複数のシーンやアイデアを関係づける
ロングフォームの代表的な形式の一つが、デル・クローズらによって発展したHarold(ハロルド)です。
Haroldでは、一つの提案やアイデアから複数のシーンやグループでの場面を展開し、そこで生まれた人物、テーマ、パターンなどを再び取り上げながら作品をつくっていきます。現在もiO TheaterやUpright Citizens Brigade(UCB)などで、ロングフォームを学び上演するための重要な形式として扱われています。
ArmandoとASSSSCAT――実話のモノローグからシーンを広げる
もう一つ、広く知られているロングフォームの系譜にArmando(アルマンド)があります。
この名称は、1995年にシカゴのImprovOlympic(現在のiO Theater)で始まった公演 The Armando Diaz Experience, Theatrical Movement and Hootenanny に由来します。Armando Diaz(アルマンド・ディアス)の名前を冠したこの公演では、実際の体験などを語るモノローグをきっかけに、出演者たちがそこから着想を得て即興のシーンをつくっていきました。
現在「Armando」と呼ばれる形式にもいくつかのバリエーションがありますが、代表的には、観客からもらった言葉などをきっかけにモノロジストが実体験やエピソードを語り、その内容、テーマ、人物、感情、イメージなどから着想を得て、出演者が即興のシーンを展開していきます。途中で再びモノローグへ戻り、そこから新しいシーンへ進む形もあります。
この流れと深く関係しているのが、Upright Citizens Brigadeの代表的な公演ASSSSCAT(アスキャット)です。UCBのメンバーたちはシカゴ時代にArmandoの公演に参加しており、その後ニューヨークで、ゲストのモノロジストが観客からの提案をもとに実話や思いついたことを語り、出演者がそれをもとにシーンをつくるASSSSCATを発展させました。
現在もASSSSCATはUCBを代表するインプロ公演の一つとして上演されています。
公演全体に独自のルールを持つショーフォーマット
キース・ジョンストンは、即興そのものに加えて、観客の前でインプロを上演するための独自の公演形式も数多く生み出しました。
Theatresports™、Maestro Impro™、Gorilla Theatre™では、比較的短いインプロゲームやシーンを複数組み合わせる点で、インプロゲームショーと共通する部分があります。同時に、それぞれが審査、観客による評価、演出者の交代など、公演全体を進めるための独自の仕組みを持っています。
Theatresports™
Theatresports™では、チーム同士がさまざまな即興で競い、審査や得点といったスポーツのような枠組みを使って公演を進めます。
Maestro Impro™
Maestro Impro™では、多くの出演者がさまざまなシーンに参加し、観客の評価などを通して人数が徐々に絞られ、最後まで残る出演者が決まっていきます。
Gorilla Theatre™
Gorilla Theatre™では、出演者自身が順番にほかの出演者を演出し、それぞれが自分の考える即興シーンをつくります。観客はそのシーンを評価し、公演全体が進んでいきます。
このように、インプロの上演形式には、一つひとつのショートフォーム、複数のショートフォームを組み合わせたインプロゲームショー、複数のシーンやアイデアを長い時間の中で育てるロングフォーム、そして公演全体に独自のルールを持つショーフォーマットなどがあります。
実際の公演では、これらの考え方や形式が組み合わされることもあります。それぞれの形式が、異なるインプロの可能性を形にしています。
インプロで大切にされていることは何ですか?
インプロを学んでいると、さまざまな考え方や技術、指導の言葉に出会います。どの言葉を重視するかは、源流や流派、上演形式、指導者などによって異なります。
その一方で、複数のインプロの実践を横断して見ると、形や言葉は違っていても、繰り返し現れる働きがあります。ここでは、その中でもインプロの基本的な仕組みを理解するうえで重要なものを、初心者にも分かりやすい六つの形に整理します。
ここで紹介する六つは、さまざまな実践の中に繰り返し見られる働きを、このページで理解しやすい形に整理したものです。源流や形式によって重点や使われる言葉は異なるため、インプロ全体に共通する絶対的なルールとして置くものではありません。
1.相手や、その場で起きていることをよく受け取る
インプロでは、すでにその場にあるさまざまな手がかりを大切にします。
相手の言葉だけでなく、声の調子、表情、身体の動き、感情、相手との距離、空間の使われ方なども、その場で起きていることの一部です。また、それまでのやり取りで生まれた人物や関係、出来事なども、場面を一緒につくっていくための手がかりになります。
相手やその場で起きていることをよく受け取ることで、自分一人のアイデアだけに頼らず、そこにあるものから行動や表現が生まれてきます。
2.相手から影響を受けながら、仲間と一緒につくる
相手から表現されていることを受け取るのは、言葉の内容を理解することだけではありません。
相手の言葉や行動によって、自分の感じ方が変わることがあります。人物についての見方が変わったり、場面の意味が変わったり、言おうとしていたことや行動が変わったりすることもあります。
インプロでは、相手から受け取ったものによって、自分の感じ方や見方、選択、行動も変わっていきます。あらかじめ考えていた展開があったとしても、その場で起きることから影響を受けながら、場面を一緒につくっていきます。
そして自分の言葉や行動もまた相手に影響を与えます。こうした相互の影響によって、一人ではつくれなかったものが仲間との間から生まれてきます。
3.生まれた設定や出来事を共有し、次の表現に使う
インプロでは、その場で一度生まれたものが、その瞬間だけで消えてしまうわけではありません。
人物同士の関係、場所、出来事、過去について分かったこと、感情の変化などが積み重なり、場面の文脈になっていきます。
その文脈を参加者同士で共有し、後の言葉や行動に使うことで、「さっき起きたこと」と「今起きていること」がつながっていきます。以前に登場した人物や出来事をもう一度使ったり、最初は何気なかったものに後から新しい意味が生まれたりすることもあります。
こうした積み重ねが、短いシーンにも、長い作品にも、まとまりや発展を生み出します。
4.自分から具体的に働きかけ、選択する
相手から表現されていることや、その場で起きていることを受け取り、影響を受けることと同時に、自分から働きかけることもインプロの重要な部分です。
言葉を発する、動く、人物として何かをする、相手との関係を表す、ある方向へ場面を進める。そうした具体的な選択によって、相手が受け取れる新しいものが生まれます。
相手が何かをしてくれるまで待ち続けるのではなく、自分も場面をつくる一人として選択し、行動する。その働きかけを相手が受け取り、また新しい反応や選択が生まれることで、インプロは動いていきます。
5.言葉だけでなく、身体・空間・行動を使って表現する
インプロは、即興で会話をつくることだけではありません。
表情、視線、姿勢、身体の動き、声、相手との距離、空間の使い方、物を扱うような動きなどによっても、人物、関係、場所、感情、出来事を表現できます。
たとえば同じ言葉でも、声の調子や強さ、間の取り方、表情、身体の向き、相手との距離などによって、伝わる意味は変わります。何を言うかだけでなく、どう言い、どう動くかも、その場で起きていることをつくる大切な情報になります。
言葉、身体、空間、行動が一緒に働くことで、その場にある人物や世界がより具体的になっていきます。
6.生まれたものを、見ている人にも伝わる表現にする
舞台で上演するインプロでは、演じている人たちの間に生まれた人物、関係、出来事、感情などを、観客にも感じ取れる形で表現することが大切です。
それは、すべてを言葉で説明するという意味ではありません。身体の動きや声、空間の使い方、具体的な行動などを通して、演者たちが見ている世界を観客も一緒に見られるようにしていきます。
この視点を持つことで、インプロは参加者同士だけのやり取りから、見ている人と共有できる舞台表現へとひらかれていきます。
インプロには、ここで挙げた六つ以外にも大切な考え方があります。源流や形式によって、遊び、Spontaneity、物語ること、具体性、構造、ステータスなど、重点の置かれ方も変わります。
また、Yes, Andのように広く知られている言葉も、それがどのような文脈で使われ、何を助けるためのものなのかを見ることで、より正確に理解できます。
それぞれの考え方や技術が、どのような場面で何を助けているのかを知り、実際の中で使っていくと、インプロの多様な実践をより具体的に捉えられます。
インプロはどのように広がってきたのか
- スポーリンの流れTheater Games → Compass Players → The Second City
- クローズの流れThe Committee → Harold → ImprovOlympic / iO → long form
- ジョンストンの流れRoyal Court Theatre → Theatre Machine → Loose Moose → Theatresports™
系譜図候補:PCでは3系統を俯瞰し、スマートフォンでは縦方向に読み進めます。本文の代替ではありません。
現在のインプロは、異なる時代や場所で育った実践が、人や劇場、カンパニー、上演形式、教育、書籍、メディアなどを通してつながり、ときには交差しながら発展してきました。
ここでは、そのすべてを年表のように並べるのではなく、現在のインプロを理解するうえで重要な流れと、そのつながりを見ていきます。
シカゴで交差した複数の流れ――スポーリン、Second City、デル・クローズ、ロングフォーム
アメリカの現代インプロをたどると、シカゴ周辺でいくつもの重要な流れが交差していることが分かります。
ヴァイオラ・スポーリンが発展させたTheater Gamesは、息子のポール・シルズを通して俳優や演劇グループへ受け継がれていきました。シルズはデイヴィッド・シェパードらと活動し、1955年にはCompass Playersが生まれます。ここでは、ゲームや即興を使いながら舞台上で場面をつくる実践が発展していきました。
1959年には、ポール・シルズ、バーナード・サーリンズ、ハワード・アルクらによってThe Second Cityがシカゴに設立されます。Second Cityでは、即興そのものの上演に加えて、即興を使ってスケッチやレヴューをつくる方法、俳優やコメディアンを育てるトレーニングなどが発展し、多くの実践者がここから次の活動へ進んでいきました。
デル・クローズも、Compass PlayersやSecond Cityなど、こうしたシカゴを中心とする流れと深く関わった人物です。
その後、サンフランシスコのThe Committeeで活動する中で、短いシーンだけで終わらず、複数の人物や場面、アイデアを長い時間の中で関係づけていくHaroldが形づくられていきました。The Committeeは1960年代のアメリカで、即興と風刺的なコメディを結びつけた重要なカンパニーでもありました。
一方、Compass Playersをポール・シルズとともに立ち上げたデイヴィッド・シェパードは、後にImprovisation Olympicsという競技型の即興実践を発展させます。
1980年代初頭のシカゴでは、この活動にCharna Halpernが関わり、その後Halpernがデル・クローズを招いたことで、Improvisation Olympicsは次第にlong-form improvを学び、上演する拠点へと変化していきました。現在のiO Theaterへつながる流れです。
そこで育てられたHaroldやlong formの考え方は、舞台やクラスを通して人から人へ伝えられるとともに、1994年にCharna Halpern、Del Close、Kim “Howard” Johnsonによる『Truth in Comedy』として出版されました。書籍による言語化も、シカゴで育った実践が世界各地へ共有される大きな経路の一つになりました。
キース・ジョンストンの流れ――英国からカナダ、世界へ
キース・ジョンストンの実践は、シカゴとは異なる文脈から発展しました。
ジョンストンは1950年代からイギリスのRoyal Court Theatreで活動し、戯曲、演出、俳優との実践に関わりました。
そこで生まれた即興の技術やエクササイズは、俳優のSpontaneityやStatus、Narrativeなどを探究する方法として発展し、Royal CourtのActors' Studioや学校・大学での実践へ広がっていきます。後にそれらは『Impro: Improvisation and the Theatre』としてまとめられ、1979年に出版されました。
1967年にはTheatre Machineを立ち上げ、即興そのものを観客に見せる公演を行いながら、英国以外にも活動を広げました。
その後カナダへ移り、University of Calgaryで教えながら、学生や実践者とともに即興の方法をさらに発展させていきます。1977年にはLoose Moose Theatre Companyが生まれ、教育、練習やトレーニング、公演、新しい形式の開発が継続的に行われる拠点となりました。
その中から広く知られるようになった形式の一つがTheatresports™です。スポーツの試合のような枠組みを使い、チーム、審査、得点などを公演構造に取り入れながら、観客とともに即興を楽しむ形式です。さらにGorilla Theatre™、Maestro Impro™、Life Gameなど、観客と出演者の関係や公演の進め方が異なるさまざまな形式も発展しました。
ジョンストンの方法が世界へ伝わったのは、こうした上演形式だけを通してではありません。俳優訓練、教育、ゲームやエクササイズ、指導方法、用語や考え方も、ワークショップや指導者を通じて各国へ共有されました。
1999年の『Impro for Storytellers』では、Theatresports™を含む長年の実践から生まれたゲーム、エクササイズ、物語ること、観客との関係などがさらに整理されました。『Impro』と『Impro for Storytellers』という二冊の著作も、ジョンストンの実践を国際的に伝える重要な経路になっています。
カンパニー・上演形式・メディアへ広がるインプロ
こうした主要な流れから、インプロは一つの方向へ進んだのではなく、さまざまなカンパニー、スクール、上演形式、メディアへ枝分かれしていきました。
アメリカでは、The Committeeで活動したGary Austinが1972年にロサンゼルスでワークショップを始め、1974年にはThe Groundlingsを正式なカンパニーとして成立させました。Groundlingsでは、インプロとともにキャラクターやスケッチを育てる実践が発展し、シカゴとは異なる大きな拠点が西海岸に生まれました。
シカゴでは、long formとは異なる美学やトレーニング方法も育ちました。1987年にMick NapierらがMetraformとして始めた活動は、1989年にThe Annoyanceの名称へと移行します。
そこで独自の作品づくりを重ねながら、シーンそのものや演者一人ひとりの具体的な選択を重視する方法が育てられていきました。
1996年には、Matt Besser、Amy Poehler、Ian Roberts、Matt WalshのUpright Citizens Brigadeがシカゴからニューヨークへ移り、やがてUCB TheatreとTraining Centerを展開します。シカゴで発展したlong formの実践は、ニューヨークでも新しいカンパニーや教育体系へつながっていきました。
競技やショーの構造を使う方向にも別の発展があります。1984年にMilwaukeeで始まったComedySportzは、Keith JohnstoneのTheatresports™から影響を受けながら、チーム対抗、審判、得点、観客の参加などを組み合わせた独自のショー形式として広がりました。Theatresports™とComedySportzは同じ形式ではありませんが、影響関係を持ちながら別々に発展しています。
さらにインプロは、劇場の外でも多くの人に知られるようになります。『Whose Line Is It Anyway?』は1988年にBBC Radio 4のラジオ番組として始まり、同じ年にイギリスのChannel 4でテレビ番組へ展開しました。
短い即興ゲームや観客からの提案を使ったパフォーマンスがテレビを通して広く知られたことで、「即興を観客が見るエンターテインメント」というイメージを世界的に広げた大きなメディア上の節点になりました。
こうしてインプロは、劇場、カンパニー、スクール、競技型のショー、long form、キャラクターやスケッチ、ラジオやテレビなど、さまざまな方向へ広がりました。そこで育った実践は、異なる時期と経路を通して世界各地へ伝わり、日本にも入っていきます。
日本ではインプロがどのように広がってきたのか
日本におけるインプロの広がりも、一つの経路だけでは説明できません。
重要な基準点の一つが1990年代です。1994年には、株式会社ユナイテッド・パフォーマーズ・スタジオ(UPS)が、オーストラリアでTheatresports™を実践していたLyn Pierseを招き、ワークショップや公演が行われました。海外で「インプロ」として体系化されてきた実践が、日本で組織的に共有された初期の重要な出来事の一つとして位置づけられます。
それ以前の日本の演劇にも、即興的な実践はありました。小劇場や俳優訓練では、エチュードなど、その場で人物や関係、場面をつくる実践がすでに行われていました。日本におけるインプロの歴史は、海外から完成した一つの体系がそのまま持ち込まれたというより、海外で発展した複数のインプロと、日本側にすでにあった演劇・即興の実践が接続していく過程として見る方が実態に近いと考えられます。
その後も、海外の実践者を日本へ招く、日本の実践者が海外の劇場やスクールへ直接学びに行く、Theatresports™とは異なる形式や体系が入ってくる、といった複数の経路からインプロが広がっていきました。1998年にはKeith Johnstone本人も来日し、日本でワークショップを行っています。
こうした複数の経路から異なる考え方や技術が伝わる中で、日本で行われるインプロも次第に多様になっていきました。その過程では、実践が各現場で解釈され、別の表現へ置き換えられることもあります。
日本インプロアーツが長年の実践と資料調査を重ねる中では、特定の指導上の言葉がインプロ全体を代表するものとして語られたり、ある目的のために使われていた方法が、より広い原理として受け取られたりする例も見られます。こうした伝承や再解釈による変化も、日本でインプロが多様化してきた過程の一部として捉えます。
日本では、舞台や俳優訓練に加えて、仕事や人材育成、企業研修、チームづくりなどでもインプロが活用されるようになりました。教育の分野でも実践と研究が続けられています。
2016年にはCarrie LobmanとMatthew Lundquistの『Unscripted Learning』が『インプロをすべての教室へ』として翻訳出版され、2018年には日本教育心理学会総会で「インプロを全ての教室へ――インプロを応用した学習環境づくり」、2021年には「教育実践・研究のためのパフォーマンス演習」という自主企画シンポジウムが行われました。
また、大規模なエンターテインメントの中でもインプロが扱われています。2014年に始まった『THE EMPTY STAGE』では、吉本興業とフジテレビジョンの企画・制作のもと、The Second Cityの即興コメディの方法を取り入れた「The Second City Japan Show」が行われました。
海外の主要なカンパニーと日本の大規模エンターテインメントが明示的に接続した例の一つです。
現在の日本では、舞台上演、俳優訓練、一般向けの体験、仕事・組織、教育など、異なる目的・系譜・解釈を持つインプロが重なりながら存在しています。海外から伝わった複数の実践と、日本で育ってきた演劇・即興の実践が交わりながら、日本のインプロは現在もさまざまな方向へ展開しています。
インプロは日常・仕事・チーム・組織などでどう活かせるのか
インプロは舞台芸術として発展してきました。その実践では、相手の言葉や動きを受け取る、相手から影響を受ける、自分から働きかける、起きたことを使う、実際に試しながら関わり方を変える、といった経験を重ねます。こうした実践知は、舞台の外にある日常、人間関係、仕事、チームや組織、教育、地域や社会でも活かすことができます。
活かし方には、大きく二つの方向があります。一つは、インプロで培われてきた見方や関わり方を、日常や仕事などそれぞれの場で使うことです。もう一つは、別の目的に合わせてインプロゲームやエクササイズ、即興の場面づくりなどを選び、体験や振り返りと組み合わせて使うことです。後者は、応用インプロ(Applied Improvisation)と呼ばれる領域とも重なっています。
この二つには重なる部分があります。日本インプロアーツでは、「インプロを活用した」という名称だけで一括りにせず、誰が、何を目的に、どのような実践を、どのくらい行い、その経験をどのように別の場へつなげるのかを見ながら考えます。
日常・人間関係で、インプロはどう活かせるのか
日常の会話や人間関係では、相手が言った内容だけでなく、表情、声の調子、反応、その場の空気の変化などを受け取りながら、自分の関わり方を変えていくことがあります。自分から何かを伝えれば相手が反応し、その反応によって自分の見方や次の言葉も変わる。インプロで経験する相互の影響は、こうした日常のやり取りにもつながっています。
たとえば、意見が違ったり、予想していなかった反応が返ってきたりしたとき、その違いを今ここで起きている新しい情報として受け取ることができます。そこから、相手が何を大切にしているのかを聞き直したり、自分の伝え方を変えたり、別の問いをつくったりすることができます。
誰かと予定や企画、遊びを考えるときにも、相手から出てきた案を材料に自分から別の案を加え、その反応からさらに続きをつくることができます。どちらか一人が最初から完成した答えを持つのではなく、やり取りの中から新しいものが生まれること自体を楽しむことも、インプロと日常との接点の一つです。
予定どおりに進まない出来事が起きたときには、今使える時間、場所、人、情報などを見直し、その時点でできる行動を組み直すこともできます。インプロで繰り返す「今あるものを受け取り、働きかけ、その結果をまた受け取る」という循環は、日常の変化に向き合うときにも使える選択肢になります。
インプロの経験を日常へどのように持ち帰れるのか、その楽しさや学びの広がりについては、「インプロの魅力と得られる経験」でさらに詳しく紹介します。
仕事で、インプロはどう活かせるのか
仕事には、準備だけではすべてを決めきれない場面があります。会議や打ち合わせで新しい意見が出る、顧客から思いがけない質問が返ってくる、企画の条件が変わる、プレゼン中に相手の関心が別のところへ動く。そうしたとき、今ある情報や相手の反応を受け取りながら、説明、提案、判断、行動をその場に合わせて調整することに、インプロの実践知を活かせます。
会議では、ほかの人の発言を聞いて自分の考えが変わったなら、その変化を次の発言に使うことができます。顧客との対話では、準備した説明を土台にしながら、相手がどこに関心を持ったのか、何が伝わりにくかったのかを見て、具体例や提案を変えることができます。
企画や問題解決では、一つの案から別の案を広げたり、複数の人のアイデアを組み合わせたり、小さく試した結果から次の方法を考えたりすることができます。条件や状況が変わった場合も、変わったことを新しい情報として受け取り、使える人・時間・情報・資源を見直し、計画や進め方を調整していきます。
チーム・組織で、インプロはどう活かせるのか
チームや組織では、一人の言葉や行動がほかの人に影響し、その反応によってまた次の行動が変わります。インプロは、こうした相互作用を実際に経験しながら扱うことのできる実践です。
たとえば、チームで企画をつくるときには、一人ひとりの案を個人のアイデアとして終わらせず、別の人がそこから新しい可能性を見つけたり、複数の案を組み合わせたりできます。プロジェクトの条件が変わったときには、何が変わり、何が使えるのかを共有し、役割や優先順位、進め方をチームで組み直すこともできます。
また、長く一緒に活動しているチームでは、いつも同じ人が話す、特定の人に判断が集まる、誰かの提案が十分に受け取られない、といった関わり方のパターンが生まれることがあります。
インプロのゲームや共同活動の中で、誰が働きかけ、それを誰がどう受け取り、そこから何が起きたのかを振り返ることで、普段とは違う関わり方を実際に試すことができます。
法人・組織での活用や、日本インプロアーツが組織の目的とインプロの実践をどのようにつなぎ、学びを設計するのかについては、「法人・組織でインプロを活かす」で詳しく紹介します。
リーダーシップやファシリテーションで、インプロはどう活かせるのか
リーダーシップでは、人や状況の変化を受け取りながら、方向を示す、選択する、自分から働きかける、ほかの人が動ける条件をつくるといった行動が必要になることがあります。メンバーから新しい提案が生まれたときには、それを受け取り、その人やほかの人がさらに関われるように支えることもできます。
ファシリテーションでは、事前に用意した進行を土台にしながら、実際にどんな発言が出ているのか、どの問いに反応が集まっているのか、まだ話せていない人がいるのか、沈黙や表情にどんな変化があるのかを見ていきます。そこから、問いを変える、焦点を移す、考える時間を取る、話し方を変えるといった調整ができます。
インプロで繰り返す「働きかける、反応を受け取る、そこから状況の見方や次の関わり方を変える」という経験は、こうしたリーダーシップやファシリテーションと重なる部分があります。
教育で、インプロはどう活かせるのか
教育でインプロを活かす方法には、インプロで培われてきた実践知を授業や学び方に活かすことと、学習上の目的に合わせてインプロゲームや即興活動を使うことの両方があります。
学ぶ人同士のやり取りでは、ある人の意見を聞いて自分の考えが変わったり、複数の意見を組み合わせることで新しい見方が生まれたりします。グループで一つの問いを考えるときに、「その考えを聞いて自分はどう考えたか」「そこから何が新しく見えたか」とやり取りを続けることは、相手から影響を受けながら一緒に考える学びにつながります。
説明を聞くだけでは分かりにくいことを、一度実際にやってみて、その結果から考える方法もあります。ある人物の立場で話してみる、ある状況を演じてみる、別の対応を試してみる。
実際に動いてみると、予想していなかった反応や問いが生まれます。その経験を振り返り、別の方法を試すことで、体験そのものを次の学びへつなげられます。
教師自身の授業の進め方にも、インプロの実践知を活かすことができます。授業内容や問い、説明、時間配分を準備したうえで、実際の学習者の反応を見ながら、具体例を変える、別の聞き方をする、話し合う時間を増やす、その場で出た発言をもう少しみんなで考える、といった調整ができます。
学習目的のためにインプロゲームや即興活動を使う場合は、何を学ぶための活動なのかを明確にし、その目的に合うゲームや活動を選びます。そこで体験したことを振り返り、学びへつなげるところまで含めて設計します。こうした使い方はApplied Improvisationの一つとして捉えることができます。
教師教育や研修では、生徒から思いがけない質問をされた場面、話し合いが止まった場面、複数の人から異なる反応が返ってきた場面などを即興で演じ、実際に近い状況の中で自分の反応を確かめることもできます。
一度試した後に、何を見ていたか、相手がどう反応したか、ほかにどんな関わり方ができたかを振り返り、別の方法を試すことができます。
コミュニティ・地域・社会で、インプロはどう活かせるのか
コミュニティや地域では、初めて会う人や普段あまり関わらない人同士が、短いゲームや共同活動を通して実際に関わり始めるきっかけをつくることができます。名前や肩書を知るだけでなく、互いがどのように提案し、反応し、一緒に何かをする人なのかを体験の中で知ることができます。
住民、NPO、企業、行政など異なる立場の人が一緒に企画を考える場では、出てきた提案を別の人が受け取り、新しい案を加えたり、複数の案を組み合わせたり、実際に小さく試したりすることができます。それぞれが持つ情報や視点を材料にしながら、共同で活動をつくることにインプロの実践を活かせます。
地域の未来や社会的なテーマを考えるときには、異なる立場や、これから起こり得る状況を即興で演じてみる方法もあります。実際に場面をつくることで、言葉だけで話していたときには見えなかった問いや反応が現れることがあります。
ただし、即興の中である立場を演じたことだけで、実際にその立場にいる人の生活や経験そのものを理解したことにはなりません。そこで生まれた問いを、本人の声を聞くこと、資料を調べること、さらに対話を続けることへつなげることで、即興での体験を次の探究に活かすことができます。
地域活動や社会的なプロジェクトでは、参加する人、場所、時間、使える資源、周囲の反応などが途中で変わることもあります。現在の状況を受け取り、役割や進め方を組み直し、実際に試し、その結果をまた次に使うという循環は、活動を続けながらその時々に合う方法をつくることにもつながります。
インプロを活用するときの体験は、使うゲームやエクササイズ、進め方、時間、参加する人、目的、振り返りの方法などによって変わります。同じ「インプロ」という名称でも、実際に行われることはさまざまです。
インプロと特定の能力、学習、行動などとの関係が研究されている領域もあります。研究結果を見るときには、誰を対象に、どのような活動を、どのくらい行い、何を測ったのかを確認することが大切です。ある条件で確認された結果を、そのまま別の年代、職場、組織、活動へ広げて考えられるとは限りません。
日本インプロアーツでは、舞台芸術としてのインプロの根を大切にしながら、そこで培われてきた考え方や技術を、さまざまな文脈でどのように活かせるのかを探究しています。
インプロとアドリブ・エチュードは何が違うのか
| 言葉 | 中心的な使われ方 | 枠組み |
|---|---|---|
| アドリブ | すでにある作品や進行の中で、その場で加える即興 | 大きな枠は既にある |
| エチュード | 条件を置いて、役や場面などを探る即興的な練習・習作 | 人物・関係・状況などを設定 |
| インプロ | 即興そのものを、場面や作品をつくる中心に置く実践 | やり取りから場面そのものを生成 |
インプロ・アドリブ・エチュードの比較表示候補
アドリブ
- 事前にある枠組み
- 台本、人物、物語、台詞、場面の流れなど、大きな枠がすでにある。
- 即興する範囲
- その場に応じて、台詞・動き・反応などを加える。
- 主な目的・使われ方
- 既存の作品や進行を、その瞬間の状況に応じて続ける。
エチュード
- 事前にある枠組み
- 人物、関係、場所、状況、課題など、いくつかの条件を置く。
- 即興する範囲
- その条件の中で、台詞や動きをその場でつくる。
- 主な目的・使われ方
- 役・場面・関係を探る練習や習作。俳優のトレーニングや作品づくりにも使われる。
インプロ
- 事前にある枠組み
- ゲームのルール、観客からの提案、上演形式がある場合もある。
- 即興する範囲
- 人物、関係、行動、出来事、その後の展開などを、実際のやり取りからつくる。
- 主な目的・使われ方
- 即興そのものを場面や作品づくりの中心に置き、練習だけでなく舞台芸術としても上演する。
インプロ、アドリブ、エチュードはいずれも即興に関わる言葉です。日本の演劇や表現の現場では、それぞれ少し異なる意味や文脈で使われる傾向があります。
その使われ方には幅があり、境界がはっきり決まっているわけではありません。ここでは、日本で中心的に見られる使われ方を踏まえながら、日本インプロアーツが三つの違いを理解しやすくするために整理して紹介します。
インプロでは、あらかじめ台本や展開を固定しきらず、その場で生まれる相手の言葉や動き、人物や関係、出来事などを使いながら、場面や作品をつくっていきます。
アドリブは、すでに台本や進行などの大きな枠がある中で、その場に応じて台詞や動き、反応などを加えることを指す場合が多い言葉です。
エチュードは、人物、関係、場所、状況、課題などをある程度設定し、その条件の中で即興的に演じながら、役や場面、関係などを探っていく練習や習作として使われることが多い言葉です。
アドリブ――決まっているものの中で、その場で加える
たとえば、台本のある舞台で、小道具がいつもと違う場所に置かれていたとします。
俳優がそれに気づき、その場で一言加えたり、予定になかった動きをしたりして、場面を続けることがあります。こうしたものは、一般にアドリブと呼ばれます。
作品の人物、物語、台詞、場面の流れなど、大きな枠はすでにあります。その中の一部で、その瞬間に生まれたものを加えるというのが、アドリブの典型的な使われ方です。
インプロでは、こうした局所的な部分に加えて、誰なのか、どんな関係なのか、何が起こるのかといった場面そのものが、その場のやり取りから生まれていくことがあります。
エチュード――条件を置いて、役や場面を探ってみる
エチュードでは、人物、関係、場所、状況、課題など、いくつかの条件を置いて始めることがあります。
たとえば、
「この二人は親子です」
「久しぶりに会いました」
「一人は相手に伝えたいことがあります」
といった条件を置き、そこから先の台詞や動きをその場でつくってみます。
実際に演じてみることで、
「この人物は、相手にこう接するかもしれない」
「二人の間には、こんな距離がありそうだ」
「この場面では、こんな出来事が起こり得る」
といったことを探ることができます。
そのためエチュードは、俳優のトレーニングに加えて、役づくりや作品づくりの途中で使われることもあります。
インプロ――即興そのものを、場面や作品をつくる中心に置く
ゲームのルールがあったり、観客から場所や関係をもらったり、Haroldのような上演形式を使ったりすることもあります。
特徴になるのは、決められている条件の中で、人物、関係、行動、出来事、その後の展開などを、実際に起きているやり取りからつくっていくことです。
また、インプロは練習として行われるだけでなく、その即興の場面や作品そのものを観客に見せる舞台芸術としても発展してきました。
三つの言葉には、重なるところもある
実際の演劇の現場では、インプロ、アドリブ、エチュードが重なることもあります。
エチュードの中でインプロに近いやり取りが行われることもあります。台本のある芝居の中でアドリブが生まれることもあります。インプロのトレーニングとして、人物や状況を決めた短い即興場面を行うこともあります。
そのため、このページでは三つを厳密な分類として定義するのではなく、日本で中心的に見られる使われ方を踏まえ、日本インプロアーツが違いを理解しやすくするために整理しています。
大まかに捉えるなら、
- アドリブ:すでにある作品や進行の中で、その場で加える即興
- エチュード:条件を置いて、役や場面などを探る即興的な練習・習作
- インプロ:即興そのものを、場面や作品をつくる中心に置く実践
と考えると、違いが見えやすくなります。
インプロについてよくある質問
初めて参加するときに気になりやすいこと
1.初心者でもインプロに参加できますか?
初心者向けに設計されたインプロのワークショップでは、経験がない人も実際にやってみながら参加できるよう、短いゲームやシンプルな活動から始めることが多くあります。特別な知識を覚えてから参加することが前提ではありません。
実際の対象や参加条件は企画によって異なるので、参加するときは各プログラムの案内を確認してください。
2.演劇経験がなくてもインプロはできますか?
演劇経験を前提としないインプロのワークショップや体験機会はあります。一般向けの場では、演技経験がない人が参加できる入口も多くつくられています。
俳優向けトレーニングや経験者向けクラスなど、一定の経験を前提とする企画もあります。参加前に対象者や参加条件を確認すると選びやすくなります。
3.面白いことを言えなくてもインプロはできますか?
インプロで中心になるのは、気の利いた一言を次々と思いつくことではなく、相手やその場で起きていることを受け取り、そこから仲間と場面や出来事をつくることです。
やり取りの結果として笑いが生まれることはありますが、笑いを主目的としないインプロの実践や上演もあります。
4.頭の回転が速くなくてもインプロはできますか?
インプロは、毎回頭の中だけから素早く気の利いた答えや新しいアイデアを生み出すことを前提にしていません。目の前で起きていることを見たり聞いたりし、そこにあるものを使って関わることができます。
さらに、インプロで生まれる表現は、意識して考えたものだけではありません。相手の言葉や動きに反応して、思わず言葉が出たり、身体が動いたり、表情が変わったりすることもあります。そうした自然な反応も、場面をつくる材料になります。
5.人前で演じるのが苦手でもインプロはできますか?
インプロには観客の前で行う公演もありますが、ワークショップでは、二人組や少人数で行うゲームや共同活動など、さまざまな参加の仕方があります。大勢の人から注目されることに慣れていない人も参加しやすいよう、活動の順番や人数を工夫している場もあります。
参加先を選ぶときは、講師やファシリテーターが、参加者の経験やその日の様子を見ながら、活動の順番、人数、注目が集まる度合い、難しさ、行う内容などを調整しているかも確認材料になります。
インプロの経験と活かし方
6.インプロをすると、何が身につきますか?
インプロでは、相手や状況を受け取り、自分から働きかけ、仲間と一緒に場面や出来事をつくることを繰り返します。その経験は、表現、対話、協働、創造、変化への対応などを実践する機会になります。
どのような経験や変化が生まれるかは、行うインプロの内容、期間、参加者、進め方などによって変わります。特定の能力との関係を考える場合は、誰が、どのような実践を、どのくらい行ったのかなどの条件も大切です。研究結果についても、対象、方法、期間、測定内容などを確認しながら扱います。
詳しくは「インプロの魅力と得られる経験」で紹介します。
7.インプロはコミュニケーションにどう役立ちますか?
インプロでは、相手の言葉に加えて、表情、声の調子、動き、反応なども見たり聞いたりし、それによって自分の返し方や関わり方を変える経験を重ねます。一人で会話を進めるのではなく、相手から影響を受けながら一緒にやり取りをつくる実践です。
日本インプロアーツでは、こうした経験を、日常のコミュニケーションや、人との関係を育てることにも活かせると考えています。具体的な活かし方は、このページの「日常・人間関係で、インプロはどう活かせるのか」で紹介しています。
8.インプロは年齢に関係なくできますか?
インプロには、子ども向け、学生向け、一般向け、大人向け、経験者向けなど、対象に応じて設計されたさまざまなプログラムがあり、幅広い年代の人がインプロに触れています。
実際に参加できる年齢や内容はプログラムによって異なります。参加するときは、対象年齢、必要な経験、行う活動、身体的な負荷などを確認すると、自分に合ったものを選びやすくなります。
9.インプロは仕事にも活かせますか?
仕事にインプロを活かす方法はいくつも考えられます。会議や打ち合わせ、顧客との対話、企画、プレゼン、条件や状況の変化への対応などで、相手の反応や今ある情報を受け取り、そこから行動を組み立てるというインプロの実践知を活かす方法があります。
もう一つ、企業研修や人材育成などの目的に合わせて、インプロゲームやエクササイズ、即興活動を意図的に設計・実施する方法もあります。こちらは応用インプロ(Applied Improvisation)と呼ばれる領域とも重なります。
具体的な活用については「仕事で、インプロはどう活かせるのか」「チーム・組織で、インプロはどう活かせるのか」、法人向けの展開については「法人・組織向け」で紹介します。
ワークショップを選ぶ
10.インプロのワークショップは、どう選べばいいですか?
同じ「インプロ」という名前でも、団体や講師によって、扱う源流や形式、目的、実践の深め方は異なります。まず、自分がインプロに何を求めているのかを確認すると選びやすくなります。「初めて体験したい」「楽しみたい」「演技や上演を学びたい」「仕事やチームに活かしたい」など、目的によって合うワークショップは変わります。
その上で、扱う源流や背景、ゲーム・シーン・上演・応用のどこまでを扱うのか、講師・ファシリテーターが何を大切にしているのか、継続して深められる機会があるかなどを確認してみてください。
日本インプロアーツのワークショップや、さまざまな体験・実践の機会については、「体験する・学ぶ」で全体を見渡せます。現在参加できるものも、そこから確認できます。インプロの広い世界を日本インプロアーツがどのように捉え、実践と資料調査を行き来しながら探究しているのかは、「広大なインプロの世界を深く探究し、編む。」で紹介しています。
もっと知る・体験する・活かす
ここからは、関心に応じて、体験、源流・歴史、仕事や組織での活用、個別テーマ、書籍へ進めます。
インプロを実際に体験してみたい
日本インプロアーツのワークショップや、体験・実践の入口を見たい方は、「体験する・学ぶ」へ。現在参加できるものも、そこから確認できます。
初参加の前に、実際にどんなことをするのか、演劇経験がなくても参加できるのかなどを知っておきたい方は、「インプロ未経験の方へ」で詳しく紹介しています。
インプロの実践と、その源流や発展をたどりたい
欧米を中心に育ってきたインプロの主要な源流をたどり、そこから生まれた技術や上演形式、さまざまな実践、日本での展開、日常・仕事・社会への広がりまで、そのつながりを見ていきます。
現代インプロを形づくった主要な源流や人物、その発展のつながりをさらに詳しくたどりたい方は、「インプロの主要な源流と歴史」へ進めます。
そうした広いインプロの世界を日本インプロアーツがどのように見渡し、それぞれの違いやつながりをどう捉え、実践と資料調査を行き来しながら探究しているのかは、「広大なインプロの世界を深く探究し、編む。」で紹介しています。
仕事・チーム・組織で活かしたい
インプロの実践知は、仕事でのコミュニケーションや協働、チームや組織づくり、リーダーシップやファシリテーションなど、さまざまな領域とつながります。
「法人・組織向け」では、日本インプロアーツがこうした領域でインプロをどのように捉え、活かしていくのか、現在の考え方や展開の方向性を紹介しています。
気になるテーマを詳しく知りたい
魅力・学び・活かし方
インプロの楽しさや、実践を通して得られる経験、日常や仕事とのつながりを詳しく見ていきます。
考え方・技術
Yes, Andをはじめ、インプロで使われてきた考え方や技術を、その背景や使われ方とともに紹介します。
ゲーム・シーン・形式
インプロゲーム、シーン、さまざまな上演形式や、その成り立ちについて詳しく紹介します。
源流・歴史・人物
現代のインプロにつながる主要な源流や人物、その発展のつながりを詳しくたどります。
言葉の違い・よくある疑問
インプロと似た意味で使われる言葉や、インプロについて生まれやすい疑問を整理します。
書籍でじっくり深めたい
日本インプロアーツでは、インプロの実践や考え方、学び、日常や仕事・組織での活かし方などを、書籍でも扱っています。
ウェブの記事をテーマごとに読み進める方法とは別に、一つのテーマや問いについて、まとまった形でじっくり読みたい方は、「書籍」から関心に合ったものを探せます。
それぞれの書籍ページでは、その本がどのような問いやテーマを扱っているのか、関連する記事や実践とどのようにつながるのかも紹介します。
参考文献・監修・更新情報
この記事では、インプロについて比較的広く共有されている説明、歴史的な事実や各源流に残されている記録、日本インプロアーツによる整理・見解を区別して記述しています。
特定の源流・人物・団体に由来する考え方や用語については、その由来や文脈が分かるように示します。日本インプロアーツ独自の整理や見解についても、それと分かる形で記載します。
主要な参考文献・資料
この記事の作成にあたり、特に以下の原典・資料を参照しています。
- Viola Spolin, Improvisation for the Theater: A Handbook of Teaching and Directing Techniques. Northwestern University Press, 1963.
- Keith Johnstone, Impro: Improvisation and the Theatre. Faber and Faber, 1979.
- Keith Johnstone, Impro for Storytellers. Routledge, 1999.
- Charna Halpern, Del Close, Kim “Howard” Johnson, Truth in Comedy: The Manual of Improvisation. Meriwether Publishing, 1994.
このほか、人物、団体、劇場、上演形式、歴史的な出来事などについては、各団体の公式資料やその他の一次資料・信頼できる資料を、扱う内容に応じて確認しています。
個別の記事でさらに詳しい出典を使用している場合は、それぞれの記事にも参考文献・出典を記載します。
編集・出典・翻訳・AI利用・訂正についてのサイト全体の方針は、「編集・出典・AI利用・訂正方針」で紹介しています。
執筆・監修・更新情報
- 執筆・編集:日本インプロアーツ
- 監修:へちゃっぷりん
- 初版公開日:[公開時に記載]
- 最終更新日:[更新時に記載]
この記事は、インプロについて参照できる情報や日本インプロアーツの調査・実践の進展に応じて、内容を確認しながら更新します。
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