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Yes And の先へ――受け取って関わる、その先に何が生まれるのか

今日は、「Yes And の先へ――受け取って関わる、その先に何が生まれるのか」というテーマについて書いていきます。

Yes Andを単に「肯定すること」として捉えるのではなく、相手や場から受け取ったものに自分が関わり、そこから新しい意味や関係を生み出していくことについて考えます。

このページの目次

1.Yesは、受け取るための入口

Yes Andは、インプロを代表する言葉の一つです。相手が出したものを否定しない。まず受け取る。そのうえで、自分も何かを加える。そのように説明されることがあります。

これは、Yes Andを理解するための大切な入口です。ただ、「いいですね」と言うことや、相手の意見に賛成することだけがYesではありません。

相手や場から出てきたものを、そこにある現実として受け取る。それによって、自分に何が起きたのかを見る。Yesは、相手に無条件で従うことではなく、いま場に現れているものと関わり始めるための入口です。

2.受け取った後、どう関わるか

Yesは、相手や場に出てきたものを受け取る入口です。けれど、Yes Andを考えるうえでは、受け取った後に、自分がそれとどう関わるのかも大切になります。

  • 受け取ったものの価値を言葉にする
  • 意味を詳しくする
  • 別の見方と結びつける
  • 自分の反応を返す
  • 必要であれば、新しい行動へつなげる

ただ受け入れた印を示すのではなく、受け取ったことで自分にも何かが起き、その反応を場へ返していく。そこにAndの働きがあります。

3.Andは、受け取ったものに、さらに関わること

Andは、相手が出したものに、新しい情報を機械的に足すことではありません。受け取ったものに、さらに関わることです。

たとえば、相手が出したものの価値を言葉にすることがあります。

「それは、この場にとって大切な指摘だと思います」

相手が言おうとしていることを、より詳しく捉え直すこともあります。

「つまり、結果そのものよりも、そこに至る関わり方が気になっているということですね」

別の意味や見方を加えることもあります。

「それは問題というより、これまで見えていなかった違いが現れたとも考えられます」

そして、必要であれば、そこから新しい行動や展開へつなげることもあります。

「では、その違いを残したまま、次に何ができるかを考えてみましょう」

Andの働きは、話を先へ進めることだけではありません。

  • 相手が出したものを、よりよく見えるようにする
  • そこに価値を見いだす
  • 意味を詳しくする
  • 新しい見方と結びつける
  • 必要に応じて次の関わりへつなげる

受け取ったものを置き去りにせず、それに自分なりの関わりを加えていくことが、Andの大切な働きです。

4.情報を増やすことだけがAndではない

Yes Andを練習するとき、「何か新しい情報を足さなければ」と考えることがあります。

  • 場所を決める
  • 関係性を決める
  • 新しい出来事を起こす
  • 話を先へ進める

それらもAndになり得ます。ただ、情報を増やすことばかりに意識が向くと、相手がすでに出したものが置き去りになることがあります。

  • 相手の一言を、もう少し詳しく聴く
  • そこに含まれている感情や関心に気づく
  • その一言が場にとってどのような意味を持つのかを言葉にする
  • 自分が受け取った反応を返す

新しいものを外から持ち込まなくても、すでにあるものに深く関わることで、場に新しい意味が生まれることがあります。

5.受け取り、関わることで、互いに変わっていく

Yes Andは、相手が出したものを受け取り、自分の考えを一方的に足していく技術ではありません。

相手が出したものによって、自分の見方や反応が変わる。その変化を自分なりの関わりとして返す。それを相手や場がまた受け取る。その往復の中で、最初にはなかった意味や関係が生まれていきます。

どちらか一方が正しい答えを持ち、それにもう一方が合わせるのではありません。互いの関わりによって、見え方や関係性が少しずつ変わっていく。そこに、Yes Andが共創や変容につながる理由があります。

6.この本で扱っていること

『場がひらく、Yes And の先へ』では、Yes Andを「否定しない」「受け入れて何かを足す」といった表面的な説明だけで終わらせず、その水面下にある具体的な考え方や実践を掘り下げています。

  • 場に生まれたものをどう受け取るのか
  • 受け取ったものの価値や意味を、どう場の中で生かすのか
  • そこにどのような見方や関わりを加えるのか
  • それによって、自分や相手や場がどう変わるのか

Yes Andは、相手に合わせ続けるためのルールではありません。受け取ったものを置き去りにせず、それに自分なりの関わりを重ねながら、共に何かを育てていく実践です。

その水面下にある豊かな関わりを、本書でたどってみてほしいと思っています。

Yes Andの先にあるのは、ただ肯定して話を続けることではなく、受け取ったものに互いが関わり、最初にはなかった意味や関係を育てていくことです。

あなたの会議や対話、日常のやりとりでは、誰かの言葉を受け取ったあと、どんな関わりを返しているでしょうか。

このテーマをさらに深く考えたい方は、書籍『場がひらく、Yes And の先へ』もぜひ手に取ってみてください。

インプロの知恵を、さらに現場へ

書籍『場がひらく、Yes And の先へ』では、この記事で取り上げたテーマを、インプロの視点から、場づくり、関係性、共創、変容の実践と結びつけて探究しています。