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人材育成で非認知能力を扱うなら、インプロという入口がある

今日は、人材育成で非認知能力を扱うときに、インプロがどのような入口になるのかを書いていきます。

主体性や協働する力は、知識として説明するだけでは育ちにくいものです。実際に関わり、試し、振り返る体験としての学びに目を向けます。

このページの目次

1.非認知能力は、知識として教え込むだけでは育ちにくい

人材育成や教育の文脈で、「非認知能力」という言葉が使われることが増えています。

  • 主体性。
  • 協働する力。
  • 粘り強さ。
  • 自己効力感。
  • 創造性。
  • 感情や関係性を扱う力。
  • 想定外に向き合う力。

こうした力は、これからの学びや仕事において、とても大切です。ただ、非認知能力は、知識として説明すればそのまま身につくものではありません。

「主体的になりましょう」と言われたからといって、すぐに主体的になれるわけではない。「協働しましょう」と言われたからといって、すぐに協働できるわけではない。「ためらわずに挑戦しましょう」と言われたからといって、すぐに一歩を出せるわけでもない。

非認知能力は、頭で理解するだけではなく、実際の場の中で少しずつ育っていくものだと思います。

2.人の力は、場の中で表れる

人の力は、その人の内側だけに閉じているわけではありません。

  • どんな場にいるのか。
  • 誰と関わっているのか。
  • その関わりが受け取られるのか。
  • 思った通りにならなかった出来事や違和感が、そこでどう扱われるのか。
  • 次の関わりを出してもよい空気があるのか。

そうした条件によって、人の力の出方は大きく変わります。同じ人でも、ある場では黙ってしまう。別の場では、自然に声が出る。ある関係性の中では遠慮してしまう。別の関係性の中では、試してみようと思える。

だから、非認知能力を考えるときには、個人の能力だけを見るのではなく、その力が表れる場も一緒に見ていく必要があります。

3.インプロは、小さく関わり、受け取られる経験をつくる

インプロには、「小さく関わる」経験があります。

  • 正解を探しすぎる前に、一歩出してみる。
  • 相手から返ってきたものを受け取る。
  • 自分なりの関わりが、場の中で何かにつながっていく。
  • 予定外のことが起きても、それをなかったことにせず、次の素材にしていく。

これは、非認知能力に関わる力を、実際のやり取りの中で試し、振り返る経験になります。

自分なりの関わりが受け取られる。自分の言葉や動きが、場の中で何かのきっかけになる。完璧でなくても、次につなげることができる。一人で頑張りきらなくても、相手や場と一緒につくっていける。

こうした経験が積み重なることで、人は少しずつ次の関わりを出しやすくなっていきます。

4.うまくやることだけを目指さず、次の関わりを出せる人材へ

人材育成で大切なのは、予定通りに物事を進められる人を育てることだけではないと思います。むしろ、想定外が起きたときに、そこで固まらず、次の関わりを出せること。思った通りにならなかった出来事を、そこで終わりにせず、次の学びや展開につなげられること。一人で抱え込まず、相手や場と関わりながら進んでいけること。

そうした力が、これからのチームや組織には必要になるはずです。インプロは、「失敗を歓迎しましょう」と雑に言うためのものではありません。

  • 起きたことを受け取る。
  • そこから意味や関係性をつくる。
  • 次の関わりにつなげる。

その感性を、体験を通じて育てていく入口になります。

5.1冊目と2冊目の関係

1冊目『非認知能力を育む「即興(インプロ)の知恵」』では、へっちゃらインプロの基本的な地図を描き、インプロを通じて人の力がどのように育まれていくかを、非認知能力、人材育成、協働、創造性、冒険的生き方などの文脈から扱いました。

インプロは、ただのゲームではなく、人が自分なりの関わりを出し、相手や場と関わりながら未来をつくっていくための知恵でもあります。2冊目『場がひらく、Yes And の先へ』は、その地図の中からYes Andと「場がひらく」に焦点を絞り、その水面下にある考え方や実践を掘り下げた、独立して読める一冊です。

1冊目との関係で言えば、1冊目が「インプロを通じて、人の力をどう育むか」を扱っているとすれば、2冊目は「その力が表れ、互いに生かされる場をどうひらいていくか」を扱っているとも言えます。非認知能力とインプロを考えるなら、この2冊はつながっています。

6.本で読み、場で体験する

非認知能力は、ただ知識として学ぶだけでは育ちにくい。だからこそ、インプロという入口があります。

  • 小さく関わってみる。
  • 相手が場に出してきたものを受け取る。
  • 予定外を素材にする。
  • 場の中で次の流れを共につくる。

こうした経験は、主体性、協働、創造性、自己効力感、関係性を扱う力について、自分の実際の反応や関わりから考える機会になります。

まずは本で、その考え方に触れてみてください。そして、できれば一度、ワークショップで体験してみてください。インプロは、読むだけでも見え方が変わります。でも、実際に場の中で体験すると、さらに見え方が変わります。

非認知能力は、正解を覚えるだけでなく、他者や予定外と関わる体験の中で試され、育っていきます。

あなたの育成の場には、参加者が自分で関わり方を試し、振り返る余白があるでしょうか。

体験を通した学びとインプロの可能性を深めたい方は、書籍『場がひらく、Yes And の先へ』もぜひご覧ください。

インプロの知恵を、さらに現場へ

書籍『場がひらく、Yes And の先へ』では、この記事で取り上げたテーマを、インプロの視点から、場づくり、関係性、共創、変容の実践と結びつけて探究しています。