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私たちは、毎日即興している――日常にあるインプロの知恵

インプロというと、舞台の上で行う即興演劇を思い浮かべる方が多いかもしれません。

台本なしで演じ、その瞬間に物語をつくり、相手と関わりながら、予想していなかった展開を生み出していくこと。

もちろん、それはインプロの大切な姿です。

けれど、『非認知能力を育む「即興(インプロ)の知恵」』で扱っているインプロの視点から見ると、インプロは舞台の上だけにあるものではありません。

私たちの日常の中にも、すでにたくさんの即興があります。

このページの目次

🧭 日常には、台本がない

日常には、台本がありません。

朝、誰かと交わす何気ない一言。仕事中の急な相談。会議での思いがけない発言。予定外の連絡。家族や仲間とのちょっとしたやり取り。

どれも、あらかじめ一字一句決まっているわけではありません。

相手が何を言うか、どんな表情をするか、自分の中にどんな反応が起きるかは、実際にやり取りが始まってみなければわかりません。

私たちは毎日、そうした台本のない状況の中で、相手から出てきた表現や反応、状況の変化を受け取りながら、その瞬間ごとに関わりを返しています。

その意味で、私たちは日常の中で、すでに即興しているのだと思います。

🎭 インプロは、日常の即興性を見えるようにする

日常の中で私たちがすでに行っている即興的な関わりは、あまりに当たり前なので、ふだんは見過ごされがちです。

けれど、インプロを体験すると、その即興性が見えやすくなります。

相手から出てきた言葉や動き、表情を受け取り、自分の身体や感情に起きている反応にも気づいていくこと。

その上で、その瞬間にできる関わりを返していくこと。

これは、舞台の上だけで起きていることではありません。

日常の会話でも、仕事のやり取りでも、チームづくりでも、コミュニティの中でも、同じようなことは起きています。

ただ、日常の中では、それを「インプロ」とは呼ばないだけです。

🌱 予定外の出来事は、次の関わりのきっかけになる

日常は、思い通りに進むことばかりではありません。

相手の反応が、予想していたものと違うことがあります。自分の考えていた流れとは別の方向へ、物事が動き始めることもあります。

そういうとき、私たちはつい固まったり、いつもの反応に戻ったりすることがあります。

インプロの知恵から見ると、予定外の出来事は、次の関わりのきっかけにもなります。

そこから、新しい関わりが生まれることがあります。

相手から出てきた反応や状況の変化を、次の展開の手がかりとして受け取ってみる。無理に元の予定へ戻そうとするのではなく、いま何が起きているのかを感じてみる。

そうすることで、予定外の出来事は、次の関わりのきっかけになっていきます。

この本で紹介していること

『非認知能力を育む「即興(インプロ)の知恵」』では、インプロを、舞台上の技法としてだけでなく、日常や仕事、人との関わりにもつながる知恵として紹介しています。

日常には、すでに即興的な関わりがあります。

だからこそ、インプロの知恵は、舞台経験の有無にかかわらず、私たちの日々の関わり方に活かすことができます。

相手とどう関わり、予定外の出来事をどう受け取り、人と共にどんな流れをつくっていくか。

そうした問いの中に、日常にあるインプロの知恵があります。

インプロの知恵を、さらに楽しむ

日常の会話や仕事、人との関わりの中には、すでにたくさんの即興があります。

書籍『非認知能力を育む「即興(インプロ)の知恵」』では、そうした日常の即興性を、インプロの思想や実践と結びつけながら、さらに深く探究しています。