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非認知能力は、関わりの中で育っていく――インプロで体験する学び

「非認知能力」という言葉を、耳にする機会が増えました。

『非認知能力を育む「即興(インプロ)の知恵」』では、非認知能力を、知識や点数だけでは測りきれない力として扱っています。

たとえば、自ら考え行動する力、他者と心を通わせ協力する力、困難から学び立ち上がる力、新しいものを生み出す力。

こうした力は、組織づくり、人材育成、ファシリテーション、教育、そして日常の人間関係の中でも、大切になっているものです。

けれど、非認知能力は、「大切だ」と理解しただけで、そのまま育っていくものではありません。

このページの目次

🧭 わかっていても、すぐにはできないことがある

柔軟性が大切だとわかっていても、予定外のことが起きた瞬間に、身体が固まることがあります。

協働が大切だとわかっていても、誰かと一緒に何かを進めようとすると、自分の考えにこだわりたくなることがあります。

創造性が大切だとわかっていても、周囲の反応を気にしすぎて、思いついたことを出しそびれることがあります。

つまり、非認知能力は、言葉で理解するだけではなく、実際のやり取りや状況への応答の中で育まれていくものなのだと思います。

🎭 インプロは、関わりの実践である

インプロは、台本のない状況で、相手と関わりながら進んでいく実践です。

相手が何を言うか、自分がどう反応するか、やり取りがどこへ向かっていくかは、あらかじめ全部決まっているわけではありません。

相手から出てきた言葉や動き、表情、沈黙を受け取る。自分の身体や感情にも気づく。

そして、その瞬間にできる関わりを返していく。

このように見ると、インプロは単なる舞台上の表現技法ではありません。

人と関わる力、状況に応答する力、他者と共に何かを生み出す力を、実際の体験として扱う実践です。

だからこそ、インプロは非認知能力と深く関わります。

🌱 「身につける」より、「育っていく」

非認知能力を考えるとき、つい「身につける」「高める」「伸ばす」という言い方をしたくなります。

もちろん、そうした表現が間違っているわけではありません。

けれど、インプロの視点から見ると、非認知能力は、何かのスキルを一つずつ獲得していくというより、人との関わりの中で育っていくものとして見えてきます。

相手から出てきた表現を受け取り、自分の反応に気づき、いつもとは違う関わり方を選んでみる。

そうした体験の積み重ねの中で、自分の関わり方が変わっていきます。

そして、自分の関わり方が変わると、相手の反応や、その後の流れも変わっていきます。

その相互作用の中で、柔軟性、共感、協働、創造性、自己理解といった力が育まれていくのだと思います。

この本で紹介していること

『非認知能力を育む「即興(インプロ)の知恵」』では、非認知能力を、ただ能力名のリストとしてではなく、インプロの体験と結びつけて紹介しています。

遊び心を持って関わること。

相手や状況を丁寧に受け取ること。

一人で完結させず、他者と共に流れをつくっていくこと。

予定通りにいかない展開の中にも、新しい関わりや可能性を見つけていくこと。

そうしたインプロの体験の中に、非認知能力を育む豊かな手がかりがあります。

非認知能力は、言葉だけで理解するものではなく、人や状況との関わりの中で育っていくもの。

そしてインプロは、その関わりを、遊び心と尊重のある体験として味わっていく実践です。

インプロの知恵を、さらに楽しむ

柔軟性や共感、協働、創造性といった力を、人との関わりの中でどのように育んでいくのか。

書籍『非認知能力を育む「即興(インプロ)の知恵」』では、この問いを、インプロの考え方や体験と結びつけながらさらに深く探究しています。