私たちは今、予定通りにいかないことが当たり前の時代を生きています。
仕事の進め方も、チームのあり方も、人との関わり方も、以前のやり方をそのまま当てはめればうまくいくとは限りません。変化が速く、先が見えにくく、何が起こるかをあらかじめ決めきることが難しい時代。
いわゆる VUCA の時代と言われるような現代において、私たちに必要なのは、決められた手順をただなぞる力だけではないのだと思います。
このページの目次
🧭 予定通りにいかない時代に必要な力
計画は大切です。準備も大切です。
けれど、どれだけ準備しても、実際のやり取りの中では思いがけないことが起きます。相手の反応が予想と違ったり、その瞬間の空気が急に変わったり、自分の考えていた流れとは別の方向に物事が動き始めたりすることもあります。
そんなときに、固まってしまうのではなく、目の前で起きていることを受け取り、人や状況と関わりながら、次の流れをつくっていく。
その力が、いまの時代にはますます大切になっているように感じます。
🎭 インプロは、台本のない状況で関わる実践である
インプロは、即興演劇として育ってきた実践です。
台本のない状況で、相手の言葉や動き、その瞬間の空気、自分の身体や感情を受け取りながら、シーンや物語を立ち上げていきます。
あらかじめ全部を決めておくのではなく、その瞬間に起きていることに応答しながら、他者と共に流れをつくっていく。
そこには、舞台表現としての豊かさがあります。
けれど、インプロの知恵は舞台の上だけに閉じるものではありません。日常の会話も、仕事の打ち合わせも、チームづくりも、ファシリテーションも、すべて「台本通りには進まないやり取り」の中で起きています。
だからこそ、インプロの知恵は、舞台経験のある人だけでなく、人と関わるすべての人にとって、大きなヒントになるのだと思います。
この本で紹介していること
『非認知能力を育む「即興(インプロ)の知恵」』では、インプロを、特別な才能や舞台経験がある人だけのものではなく、変化の時代に人や状況と関わるための知恵として紹介しています。
予定外の出来事に出会ったとき、起きたことを受け取り、次の関わりにつなげていくこと。
相手から出てきた表現や反応を、次の関わりのきっかけとして受け取ってみること。
自分一人で何とかしようとするのではなく、人や状況と関わりながら、新しい流れを共に生み出していくこと。
そうしたインプロの知恵は、非認知能力、遊び心、尊重、共創、そして冒険的な生き方とも深くつながっています。
VUCAの時代に必要なのは、いつも正解を知っている人になることではないのかもしれません。
むしろ、正解が見えにくい状況の中で、目の前の人や出来事と関わりながら、次の一歩をつくっていくこと。
インプロには、そのための知恵があります。
インプロの知恵を、さらに楽しむ
この記事で紹介した、予定外の出来事を受け取り、人や状況と関わりながら次をつくっていくという視点は、インプロが育んできた知恵の一つです。
書籍『非認知能力を育む「即興(インプロ)の知恵」』では、こうした考え方を、インプロの思想や実践と結びつけながらさらに深く探究しています。